日曜日の朝、いつものようにわたしはGG学院でのレッスンの為に有楽町線に乗り換えようとJR池袋南口を出たのだが、そこで力なく佇む白人の青年を見つけて声をかけた。「へ~い、Youは何しに日本へ?」彼は力なく「わたしは記憶をなくしてるようデス・・・自分の名前も思い出せないのデス。Mr.イクタと名乗る怪しい男にここに連れてこられて決してここから動かないように指示されまマ~シタ。それにしても一緒にいたMr.クマガイと名乗る男の目つきは本当に怖かったデス」そして彼はわたしにこう言った。「あなたはキャマクラ、もしくはキャバクラに行ったことがありマ~スカ?」「キャマクラ??あ~鎌倉のことか。あるけど・・・」 「わ、わたしをそこに連れて行ってクダサ~イ!何か思い出すかもしれマセ~ン!」仕方がないので担当のMiss.イナバに連絡をして今日のレッスンは延期にしてもらい、私たちは鎌倉へ向かった。鎌倉へ向かう湘南新宿ラインの中でわたしは彼の右手の爪が長く、綺麗に手入れされていることを発見した。「もしかしたらYouはクラシックギターを弾くの?」「わかりマセン・・・」「まぁいいや、君のことはとりあえずギターマンと呼ぶことにしよう。いいかい?」「ギターマン・・・わかりマ~シタ」 こうして私たちの旅は始まったのであった。