わたしとリュート奏者の秋山くんともかなり長い付き合いになった。
まだ彼が武蔵野音大の学生だった頃でギターを弾いていて、ぼくも留学から帰ってきてまだ30代、体重も50キロ台だった頃と思う。
秋山氏も実はわたしにレッスンを受けていた暗い過去があるのであった。
その後リュートに転向し、演奏やレッスン、現代ギター社からのダウランドの出版譜に関わったりと活躍中。
昨年もオファーしたのだがスケジュールが合わず、今年とうとう出演にOKが出て、はるか遠くの蕨駅東口から歩道橋を渡ってきてくれた。ガット弦の音をくるるホールで聴けるなんて初めてのことだったと思う。
尾崎琴音ちゃんは現在イギリスに留学中、夏休みの一時帰国している隙に出演してもらった。
まだ小学校に上がる前から上野学園の中等部に入るまで、レッスンで関わっているのだが、久しぶりに聴いた演奏は、以前よりも主張のはっきりした素晴らしい演奏になっていて、イギリスでとても良い勉強をしているのがわかった。
これからもこの調子で頑張って良い演奏家になってほしい、と親戚のおじさん的な視点で応援してしまうのであった。
このように元・師匠の狼藉を相殺すべくフェスティバルで真面目に演奏してくれた彼らには感謝している。
(その11に続く)