エンドロールの途中で私は会場を飛び出した。映画の途中で、傘とフリースがないことに気がついたからだ。
私は頭の中で、映画の中の福山雅治のセリフのように呟いた。
「もし、またフリースをなくしたことをキンツマさんが知ったら(※前科あり)、ぼくは死ぬよ」
頭の中で石田ゆり子が微笑みながら言った。
「きっと即死ね…さよなら」
もしすべてを失ったとしたらこの映画鑑賞にかけた金額は一体いくらになるのだろうか…私は身体の震えを抑えることが出来なかった。
埼京線人身事故でギリギリ到着になり慌てたのが原因だが、傘は上映前に入ったトイレにそのまま置いてあり、フリースは問い合わせたら落としもので届いていたので無事回収。
規定の用紙にいろいろ書かされたが(実はこの半月で二回目)、無事に戻ってきた。
これで恐怖に怯えた時間も思い出になった。
確かに未来は過去をも変えられるのであった。