その軽井沢で購入した老眼鏡がここ数日見当たらないのである。
主に必要なない時を狙って、ある時はギター用の小物入れに、ある時はカバンの中からいきなり現れたりして私を驚かせていたのだが…。
30分後の老眼鏡の完成を同じフロアにあるTSUTAYAで本でも立ち読みして、タリーズでコーヒーでも飲んで優雅に待とうと思っていた計画はこれで見事に崩れた。小雨の降る中を自宅まで戻ることに。
帰宅するとすぐに捜索、部屋を探し、カバンをひっくり返し、小物入れを見るも軽井沢老眼鏡の姿はない。自らの運命を知って最後の抵抗をしてるのだろうか。
私はふと眼鏡店廻りの間ずーっと着ていたウィンドブレーカーの右側のポケットに手をやった。
すると何やらゴツゴツした感触が…
あろうことか数日前からこのポケットに潜んで今日は仲良く一緒に眼鏡店を廻っていたとは!
今まで重宝するでもなかったこの軽井沢老眼鏡に一気に愛着が湧いたが、クーポン1000円の魅力の前に一気にクールダウン。
そもそもなんで店にいる時に「旦那、わて、ここにいまっせ!」と知らせてくれないのだ!
おかげで二度手間である。わたしは軽井沢老眼鏡をポケットに戻すと急いで店に戻った。
閉店15分前に再び店に到着、ちょうど老眼鏡も完成したようだ。
物々交換の様に軽井沢老眼鏡を引き渡し、そして念願の新しい老眼鏡を引き取った。消費税を加えた5400円を握りしめて待っていたら「4320円です」とのこと。あら、クーポンって早速使えるのね。
かくして老眼鏡を眼鏡店で初めて作ったわけだが、いやはや快適。
CDライナーのごく小さな文字から、爪の先まで良く見えること。
試しにギター弾いてみたら、今まで二重に見えていた弦、フレット、指が全部ちゃんと見える!本来こうだったのか!
と驚くほど違う。
しかしながら、見えすぎて逆に怖くて弾けない!
これはいったいどういうことなのか?見えすぎちゃうと困るのかオレ?!
呆然とする私の頭の中ではマスプロアンテナのCMソングが流れ続けるのであった。
かくして、私の老眼鏡を手に入れる長い旅は無事に終わった。これもすべて下赤塚センパイのおかげであろう。曖昧な情報と期限を間違った割引券をどうもありがとう。今度成増で老眼鏡男子会やりましょう!(完)