鎌倉大仏殿をあとにしたわたしたちは再び江ノ電に乗り鎌倉駅へ、そしてJRで北鎌倉の円覚寺に向かった。今の時期は紅葉が美しく、わたくしのお気に入りの場所であり、きっとギターマンの記憶のどこかにつながるのではないだろうかと期待していたのだが・・・。
円覚寺に到着した。
おお、う、美しいデス・・・。感動に声を失うギターマン。
しかし、ふと現実に戻るとやはり記憶は戻らぬままである。一体わたしは誰なんだろう・・・。ギターマンの心の闇は深い。
何か記憶の戻る手がかりはないだろうか・・・貪欲に情報を求めるギターマン。
以前来た時は山の上の見晴らしの良いところに茶処があったのだが、もうなくなってしまいこちらに移ったとのこと。これは大変に残念。ギターマンも残念そう。期待をさせてしまい申し訳なかった。
そうだ、呑め呑めギターマン、最後にシュッ!とすするんだぜ!
「・・・キムさん、質問がありマス」
「おぉ、何だい?」
「あそこに座っている女性たちのことを“キャマクラ嬢”と呼ぶのデスカ?」
「ち、違うわっ!」
「・・・そうなのデスカ。残念デス・・・」 ギターマンの心の闇は深い。
サヨナラ、円覚寺・・・ヒントを見つけられないまま閉館時間が来てしまい落ち込むギターマン。
「そうだギターマン!まだ鶴岡八幡宮があるぞ!そっちに向かおう!」
私たちは次なるキャマクラの聖地、鶴岡八南宮に向かった。わたしの方向音痴癖がこんな時に威力を発揮、しばらく逆方向に進んでしまったが、ほどなく気がつく。閉館時間は17時だ!時間がないぞ!ギターマン、急ぐんだ!!わたしたちは途中で焼きたての甘口せん餅を買って食べたりしながら一心不乱に歩き続けた。(ギターマン、自分探しの鎌倉旅行 その3に続く)
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